ちょうど一年前

 ちょうど一年前に ネオクラテレマークをご発注いただいた皆様方から お聞かせ頂いた「なぜこの板を選んだか」をまとめてみました。

 まず トップ幅78ミリの「ZERO」シリーズについて

ZEROアッシュ① 言葉に表しにくいのですが、楽にターンが出来て、そこそこのスピードの対応が出来る⁈って感じですかね。余り頑張らなくても笑顔で楽しめる事かな^ ^

ZEROアッシュ① アカカンで細革に乗ったのは、2回目の体験でした。
前後が薄めに作られたモデルもありましたが、途中でエッジが抜けていく感じがして、①タイプを。
 フレックスだけならポプラが合う気がしましたが、少しはへたるのを考慮で選択しました。私、貧乏性なので、アッシュとポプラだったらアッシュというのも少なからずありました。 稲刈りをして「はさがけ」する木がポプラ、根が浅いわりに高く育つのは水を吸いやすいとかあるのでは?と思ったことも。そんな感じです。

ZEROアッシュ③ 栂池試乗会で持ち込んだkarhu スープリューム に近い味付けを希望し、この機種を選定しました。

 続きまして 2999,2926のトップ幅76ミリのモデルについてのお話です。

2999②
私自身、テレマーク歴6年、革靴で3年目になります。身長170cm,体重58kg。
靴:スカルパ ビンソン(サイズ UK6.5)
手持ちの板は下記の通りです。
1.フィッシャー製(ウロコ無し)
長さ1900mm,幅65-52-59mm,重量2500g
2.スポルテン製(ウロコ有り)
長さ1700mm,幅90-70-80mm,重量2600g
※重量はピンディング含むペア数値

どちらも長所短所はあるにしてもお気に入りの板ですが、以前より革靴で滑走用の板を探しておりました。手持ち板の現状として、1はキャンパーが強めで氷点下以下の圧雪バーンでは軽さのわりに安定して滑りやすいものの、春先の柔らかい雪面では潜り込む挙動があります。2は万能板でツアー用として使っています。
斜面滑走時に限定しますと1の板が好みです。ただ、両板共通の弱点は重量の軽さに起因するところでした。

板選定の理由になりますが、試乗板全て共通の感想として、板が重い(片方1896~1973g)ので、革靴でも安定しました。
いただいた資料を拝見し、下記の3パラメータを振って設計されてると思いますので、各パラメータでの感想とします。

1.芯材
手持ちの板が柔らかいので硬いアッシュに絞ってました。

2.サイドカーブ
トップ78は曲がり過ぎる印象があり、トップ76が馴染みがあるように感じたので、トップ76を選定しました。

3.シェイプパターン
1か2で最後まで迷いました。極端にパラメーターを振るのであれば1ですが、1は思い通りに操るには私には体重不足、筋力不足、体力不足を感じました。2は私の印象ですが3よりも曲がりにくく感じましたが、2のほうが意図した操作がしやすい印象です。

3パラメータ通しての感想ですが、
トップ76でも幅広く感じました。トップ72~74でシェイプパターン1または3とかも面白そうと思いました。

 

2999③  ポプラもしなやかで良かったのですが、アッシュの方がキレがあって楽しかったです。76もやはり切れがあってよかったです。

 

2926①
今回のオリジナルテレマーク板の企画ですが、
10通りのタイプもあり、迷うのも当然かと思います。

私が、このモデルと決めた理由ですが、
1月2日のあわすのスキー場で、78のタイプと、76の芯材違い2種に試乗しましたが、
正直、どれも新鮮な感覚で、楽しく滑れました。
ただ、久保さんもおっしゃられている通り、78のタイプは「曲がってくれる」感覚があり、
所有している、革靴(ビンソン)に合う板を探していた私にとって、
期待していた、真っ直ぐ板が走ってすっ転ぶような板ではないかなと感じ、楽しい板だと思いますが、
ちょっと求めるものとは違うかなと思いました。

そこで、76のタイプの中から、半ば勢いだけで決めたものですが、
芯材は、試乗の時の感触で、一番思い通りにならなかったものを選びました。
シェイプは、今回初めて市場に出回るものだと思いますので、初期の作ってみた!感が尊いとの考えから
①のタイプを選び、76ポプラ①になりました。

一般に、メーカーがユーザーにこんなに細かい選択肢をくれることはないものですから、
この中から決めろと言われても困ってしまいますが、
そんなところがこの企画らしい、と言うことで、

今後ベースモデルとなって、芯材、シェイプなどがブラシアップされていくことを期待して76モデルを選びました。

 

2999①  モデルのポイントは、メリットでありデメリットでもあるかと思いますが、オートマティック感がない。勝手にしならない、曲がらない。マニュアル感というか、乗りにくいじゃじゃ馬感が楽しく感じました。
乗りやすい、滑りやすい板ならあえてネオクラシックではなく近年のカービング スキーで良いのかなと^_^ 

2999②  

3月20日
スポーツのマンゾク謹製の細板デモ機をお借りし延長営業中の立山山麓スキー場へ。
まず、富山のスキー場が3月下旬にして賑わってるのが何かうれしい。
スキー道具のレビューをできる身分でもないですが愛好家として感想を。ちなみに普段はほぼウロコ党です。
ポプラの柔らかめのウッドコアとだけ聞いていたけど、自分にはこれ以上の硬さは要らないかな。結構突破力があるなと感じました。自分の速度域では、板の重さやメタルの効果か、マズシャスのエポックなどよりずっとバタつかず切り進む感じ。
普段ウロコばっかりだからか、板はよく走る。フラットソール新鮮。で、急斜面でびびって横向けるとコケる。これはプラブーツでなく革靴だったからゴマカシが利かなかったんだろう。
そして、細板=曲がらないと想像していたけど、曲がる。そもそも玄人筋からすればトップ78もあれば細くもないらしい。中・緩斜面は切れ、ズレ、ツブシと雪面への働きかけと反応を試しながら楽しく滑れた。急斜面、悪雪ではコケまくり、これは自分技量の問題。
自分なら、作り手の意図とは違うかもしれないけど強すぎないケーブルビンディングorローカットプラブーツorその両方がよいかなと。

3月23日
たいらは平日もやってくれててありがたい!
で、今日は細板+T4をお試し。
革靴よりイージーだけど頼って気を抜くとやっぱコケる…板が走り、いいポジションがまだ上手くつかめない。ようは足前の問題。
声掛けていただいたテレマーカーさんと板を交換し試してもらうと、初細板でいきなり一番上から躊躇なく滑っておられる!細板が気になり出したご様子。UL方面でウロコが来だしてるからマンゾク機にもウロコを!とのリクエストでした。僕もウロコに一票!
午後は自分の愛機に替えたけど、つくづく道具に助けられてることを実感しました。
道具変われば面白みも変わって、テレマークはどれでも楽しい!
それと、道の駅たいらで食べたイワナのそば、美味かったです!

3月27日
あわすの今季最終日
駐車場はいっぱい、テレマーカーさんもいっぱい!スキー、スノーボード、ショートスキー、山スキー、スノースクート、ソリとみんなそれぞれ楽しんでるのを見ると何か嬉しい。
今回マンゾクさんから借り出してきたのは2926(188cm,76-58-66.5)ポプラ③
トップ細め、芯材柔らかめ、センター薄め
ちなみに前回は
ZERO(188cm,78-58-68)ポプラ①
トップ太め、芯材柔らかめ、全体に厚め
ZEROよりは回り込む感じが少ない。
ZEROの方が現代的、2926が古典的?
センターは薄めの③が好み。
押すとしなるを感じやすい。
板が横向いてもコケにくい(気がする)
プラより革靴がフィーリングよい気がした。
ひょっとたらライザーを挟まずビンディング直付けして革靴で滑ると更に良いのかもしれない。プラメインなので悩ましい…
最後は愛機に替え蓮華温泉ツアーに向けBC悪雪の練習。実にオートマチックで楽ちん。BCでは安定無難がよい。
テレマークは楽に気持ちよく滑るもよし、敏感・繊細・丁寧を楽しみコケるも楽し、深淵なる遊びなり。

3月30日 
快晴のたいらスキー場へ
気温も上がり雪はシャバシャバだけど細革にはやさしい。
今回借り出してきたのは2999(188cm,76-58-66.5)アッシュ③
トップ細め、芯材硬め、センター薄めのタイプ。事前の予想は硬くて重くて走って怖い
たぶん好みじゃないだろう、、、
滑り出すと、下へと向きさえ仕向けてやれば雪面に食い付いて安定感がある。板が横向いても食い付いてる感じで頼もしい。滑ってしまえば特に重さも感じず、まさかの好印象!
それでも基本的な細板の滑りが成ってないので派手にコケまくる。今どきの板は体を傾けるだけで曲がってくれるので、どうもその癖が抜けない…その前提ならトップ78のZEROがよいのかな?でもせっかくの細板なら、らしい仕様で精進するか?本来好みの軽めの柔らかめか?①より③の気がするけど②試してないな…
悩みは深まったのでした。

4月24日
これが最後とマンゾクさんから細板借りてシャルマンへ
2999(188cm,76-58-66.5)アッシュ②
2926(188cm,76-58-66.5)ポプラ②
まだ試してなかった②(トップとテールの芯材薄め)
自分の感想
芯材厚み
①(芯材全体に厚め)はパワーはあるけど重さと取り回しにくさを感じた。
③(芯材センター薄め)はスムースだがズラシにくい気がした。
②は抑えが弱いとの声もあるみたいだけど、ズラす滑りの自分にはむしろよい感じ。
芯材材種
ポプラは軽くてしなりが良く好み。ただ、春の重いシャバ雪では、ねちっこい感じで抜けが良くない。
アッシュは方向付けできれば板が重雪を突き破り抜けて行ってくれ、結果重いものを振り回してる感もない。②なら、しなりもズレも感じ取りやすい。
トップ幅
78(ゼロ)はトップが食い付く感じで意外に回しやすい。体を傾ければ回る現代の板に慣れた身にはこちらが楽で面白いのかも。
76(2926,2999)は、よりセンサーを働かせて雪面とやり取りしながらターンを作るのが楽しいと思うか、苦行か?
そしてコスメ
76ポプラ機は前:白、後:着色なし素材色(見た目ほぼ白)、全体にほぼ白。
76アッシュ機は前:黒、後:着色なし素材色(見た目ほぼ白)、黒白のパンダ柄?
いずれもシート地模様はダイヤ柄というかウロコ調というか昭和な感じ。ちなみに2999
②の試乗機はヘアラインのような柄で高級感があり現代的(コストが高いらしいがネオクラシックがコンセプトだからこっちも良いな)
で、結論。
自分のスタイルや好み的には78ゼロ②でしょう(乗ってないけど間違いない!)
しかーし!テレマークの道に分け入って、このような機会に巡り合ったのも何かのご縁、富山県民としてもここは2999(剱岳)②で行ってみようと思います!

2926③ 最後にご紹介させていただくお方は 「向井茂樹」様です。現在 足首の怪我で シーズンは終了しておられますが 昨シーズン 僕たちの板をい選び頂いた際の滑りは 驚嘆、圧巻、爽快 素晴らしい滑りをなさっておられました。 以下 その時の滑りのYoutubeです。https://www.youtube.com/watch?v=YAmRcDhcwGo

マンゾクさんの細板
革靴ビンソンにてテレモーグラー目線レビュー
マンゾクさんの細板フリーエでも試乗させていただいたのですが、種類が多くて何に乗ったか全く思い出せない😅
でもフィーリングはとても良かったので欲しい!と思っていたら赤倉観光リゾートで試乗できると知り遠征の予定を組み直し赤倉観光へ!
シェイプは76ミリに絞り試乗順
まずは76アッシュ3
芯材アッシュの板はポプラに比べて硬いらしくコブに縦に当て込むとちょっと弾かれる感触がありました。
プラブーツなら問題ないしコブをズラして滑るならこれが1番良いかもしれません。
硬めのバーンを滑るならこれですね!
76ポプラ3
コブに縦に当て込んだ時のコブに吸い付くような感触、これだ!
グサグサの春雪を滑るにはこれが良いですね。
76ポプラ1
アッシュ3よりはコブの中でたわみ易いけどちょっと弾かれるな〜と感じました。
76ポプラ2
ポプラ1よりはコブ向きと言えると思います。
ズラして滑るから少し真っ直ぐに入れるようになったくらいの方ならこれが1番と感じるかも知れません。
自分は76ポプラ3を選びました!
今回春のグサグサ雪ドン深コブでの試乗でしたので、ポプラ3が1番好印象でしたが、固めの浅いコブだったらアッシュ3を選んでいたかもしれません。
総評 
コブを革靴での滑り易さだけを考えた場合3→2→1
アッシュかポプラは好みが別れるかもですが
超高速ズラし系で滑るならアッシュ、コブに縦に当て込むならポプラがいいと思います。
ポプラ3は軽い力滑れるのでコブになれてない方にも扱い易いと思います。
ある程度コブは滑れるけど縦に当て込むライン取りは出来ないって方にはアッシュ3が滑り易いと思います。
以上
日本一需要の低そうな細板革靴コブレビューでした😆

 トップ幅78ミリ ZEROシリーズをご発注いただいた方は 板に任せて 楽しく気持ちよく。  トップ幅76ミリ 2999,2926をお選びいただいたお客様は 自身で操作することを大事にされておられる。 

 長文 失礼しました。 最後まで 読んでいただけたかな? ご購入に際しての参考となったでしょうか?   ちなみに ネオクラシックステレマーク 発注の締め切りは 5月7日 です。 皆様のお声掛け お待ち申し上げます。   

       ネクラシックステレマークスキープロジェクト 久保亮一